新型コロナ対策

看護師出身の医療・福祉向け経営コンサルタントの(株)NSコンサルタンツが運営するブログです。日総研出版より看護関係の執筆多数あります。 本来は看護を中心とした業務改善の専門家ですが、(株)ホギメディカル出身ですので感染対策についても得意な指導分野です。顧客からの質問も多いのでブログを書くことにしました。私見が多くなりますが、よろしくお願いします。

    2020年は主に新型コロナ関連の対策等の情報をお伝えしていきます。 NSコンサルタンツのHPは以下となります http://ns-consultants.co.jp/ YAHOOショップ開店しました。 https://store.shopping.yahoo.co.jp/ns-consultants/search.html FaceBookは以下となります。 https://www.facebook.com/toshifuminishina

    タグ:感染症

    新型コロナの抗体が自分にあるのか興味もあり、抗体検査を受けてみました。
    そもそも、この抗体検査を受けるきっかけは、一部の意見で、すでにこの新型コロナに対して多くの日本人が抗体を持っているのでは?という説を聞いており、実際に自分に抗体があるのか興味があったからです。
    結果は陰性でした。私の周囲で、新型コロナの患者を実際に診察した医師、看護師も同じく抗体は陰性でした。ワクチンなどで、免疫を獲得できれば違う結果となりますが、しばらく感染対策の継続が必要です。
    サンプル数が少ないのでなんとも言えないですが、どうも日本人は元々新型コロナの抗体を持っているという説には現実味がないように感じています。

    2020年2月に発生したダイヤモンドプリンセス号での新型コロナウイルスの船内環境について、国立感染症研究所が徹底的に調査を行い、
    現状報告のレポートが公開されています。
    感染対策を論じる上での貴重なサンプルデータです、感染対策を行われる方でまだ見られていない方は確認してみてください。

    レポートによると、各部屋での検出頻度は、浴室内トイレ床13か所(39%)、枕11か所(34%)、電話機8か所(24%)、机(24%)、TVリモコン7か所(21%)という結果でした。
    トイレの床が最も汚染度が高く、新型コロナウイルスは、排せつ物中に混入し、トイレットペーパーは通過するために汚染は増える事を意味します。
    机・リモコンは、手で触るための広がりを意味し、電話機は飛沫での拡散を意味します。

    この事からも、感染対策の基本は、
    ①手洗いの徹底 
    ②トイレ等では汚染だまりができやすいのでスリッパ利用 
    ③洗面及び、トイレ面等の湿性汚染エリアについては、乾燥できるためのふき取り清掃及び、次亜塩素酸Na等を用いた清掃 
    ④飛沫及び、接触対象物に対する次亜塩素酸Naもしくは、高濃度アルコールを用いたふき取りが大切。

    ダイヤモンドプリンセス号、いわゆる客船レベルの超閉鎖空間で空気感染が認められていないので、「はしか」のような空気感染を心配するよりは、
    飛沫感染対策の徹底が大切だという理解に至っています。

    まだまだ様々な情報が出てくると思いますが、最近の情報では、感染初期 症状発症2日前~発症後10日程度がウイルス拡散が強いという話です。
    医療・介護側での課題点は、無症状で発症前にウイルス拡散の可能性があるという情報です。

    発熱症状以外でも、倦怠感症状のある人へのスタンダードプリコーション(標準感染予防措置策)の徹底を行う必要性について夏季の対応や、冬季の対応が悩ましいです。
    個人防護具(PPI)は、エプロンも、ガウンも、マスクも、フェイスガードも、夏はとにかく暑いです。
    冬に関しては、白衣の上にPPIだけでは寒くて大変です。

    暑さ対策・寒さ対策を踏まえた感染対策に対する企画として、屋外検査ユニットを開発しました。

    ニュースを見ていておかしいなと思うのが、新型コロナウイルスに感染した人数を毎日報道されています。この情報しかないから報道されているんだと思います。
    例えば、営業さんが毎日の売り上げの変化を報告する必要があるでしょうか?
    一般的にデータでチェックすべきは、一週間の平均や、累計もしくが、一ヵ月の平均や累計だと思います。
    岡山県や愛媛県で初めて新型コロナ感染症が出た際に、罹患した方に対する地域からのバッシングがすごかったと聞きましたが、そもそもわざと新型コロナウイルスにかかりたい方はいないですし、感染症は罹患したのであれば、恥ずかしいものではなく、適切に隔離・治療すべきものです。
    恥ずかしい、みっともないという風潮が起こると、隠すという行為につながります。
    結果として表面に出ないで拡散すれば制御不可能な状況となります。

    感染症は、新型コロナウイルスであれ、ノロウイルスであれ早期発見・早期治療が重要で、広げないための対応に努めるという点につきます。
    恥ずかしいのではなく、事実をありのまま公表し、しっかりと対策に努めていくという形が正解です。
    WITHコロナ社会とは、早期に検査して発見できる社会のことを指します。

    インフルエンザに罹患したら、治るまでしっかり休んでね。というのが回りの反応で正解です。
    新型コロナに対しても同じ対応が正解です。
    新型コロナウイルスに罹患しても謝る必要はありません。そのことを強く言いたいです。


    インフルエンザ流行期というものがあります。
    これは外気14℃以下 湿度40%以下の気候条件で発生しやすいといわれています。
    この条件を満たすのは、日本では10月以降、特に11月からとなります。

    細かい条件は違うのですが、インフルエンザウイルスは、ウイルス学での分類上RNAウイルスに属します。新型コロナウイルスも、このRNAウイルスに分類されます。

    インフルエンザの治療は、RNAウイルスが爆発的な増殖を罹患後2日程度で爆発的に増殖するのを抑えるために、治療薬では、タミフル・リレンザ・ゾフルーザ・イナビル・ラピアクタ(点滴)及びゾフルーザという選択になります。
    しかしながら、新型コロナウイルスでRNAウイルスの増殖を抑える薬は、現時点では治験薬のアビガンしか見当たりません。しかもアビガンの効果は、まだはっきりとデータがそろっていません。
    要するに、新型コロナウイルスの早期に抑え込むための治療薬がまだないのです。
    罹患後は、肺炎の治療に準じますので、重症度に応じてステロイド治療と、解熱対応と、呼吸管理となっています。

    インフルエンザは治療薬が存在しており、対応可能ですが、インフルエンザと、新型コロナの同時感染の発生報告があり、同時感染時には重症化しやすいという報告まであります。
    新型コロナウイルスに罹患したら後遺症に悩まされる等の報告もありますが、これは、肺の繊維種のような症状なんだろうと、CT画像を拝見していると推察されます。
    いずれにせよ、インフルエンザ流行期は、新型コロナも流行しやすい状況がある。
    新型コロナウイルスは、治療法も確立されていないし、重症化リスクが高いので注意が必要となります。

    いずれにせよ、私は医療従事者を守るための取り組みができたらいいなと国産PPE関係の製品開発や、屋外検査ユニットの開発を企画・支援しています。



    日本感染症学会の指針では、秋からのインフルエンザ流行期対策として、医療機関において、インフルエンザと、新型コロナウイルスの検査を同時に行う事を指針として提言されている。

    2020年9月22日現在では、この提言を実現しようと思うと法制度の壁が立ちはだかる。
    現在 新型コロナウイルスは指定感染症 2類相当の取り扱いで、これは感染症指定医療機関のみが診療を担うものであり、検査も治療も公費負担である。

    仮に、感染症指定医療機関でない一般的な診療所・病院が新型コロナウイルスの検査を行う場合は、自費診療による検査になる。抗原検査で約6000円 PCR検査で3万円が一般的な相場である。
    しかし、インフルエンザの検査の場合は、指定感染症でも5類感染症であり、保健所への報告義務もなく、通常の保険診療で対応となる。

    日本は、混合診療を認めていない。これは、保険診療と自費診療を並行して行う事を制度上認めていない。よって、現段階では、一般の診療所・病院では、新型コロナウイルスの抗原検査と、インフルエンザの検査を同時に行う事が事実上不可能となる。
    どうしても行うのであれば、保険診療でインフルエンザの検査を行い、新型コロナウイルスの抗原検査は病院の持ち出しで無料で行う形になる。

    医療機関は、外来患者減少及び、入院患者の制限や、一般の入院患者の手術調整による遅延等様々な弊害が出ており、収入減に苦しんでいる。国に対してはその辺に配慮した対応を期待する。

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