新型コロナ対策

看護師出身の医療・福祉向け経営コンサルタントの(株)NSコンサルタンツが運営するブログです。日総研出版より看護関係の執筆多数あります。 本来は看護を中心とした業務改善の専門家ですが、(株)ホギメディカル出身ですので感染対策についても得意な指導分野です。顧客からの質問も多いのでブログを書くことにしました。私見が多くなりますが、よろしくお願いします。

    2020年は主に新型コロナ関連の対策等の情報をお伝えしていきます。 NSコンサルタンツのHPは以下となります http://ns-consultants.co.jp/ YAHOOショップ開店しました。 https://store.shopping.yahoo.co.jp/ns-consultants/search.html FaceBookは以下となります。 https://www.facebook.com/toshifuminishina

    タグ:換気

    広島市内の新規感染者数が減少してきました。飲食店の時短や、休業の効果が出た事や、正月に都会からの人の移動がなかった事が関係しているようです。感染リスクが高いとされる、飲食店を経営、運営されている皆さんには辛い現状だろうと思います。
     マスクを外す環境がリスクが高いわけですから、マスクを外す場合は、他人の飛沫を浴びない距離がポイントとされています。しかしながら、私達は病院でのクラスター拡大の原因を考えると、飛沫対策だけでは不十分で、空気感染対策が必要なのではないか?という結論に至って対策をしています。陰圧管理や、定期換気、加湿などの対応です。
    気温が上がるまではまだリスクの高い状態ですので、感染対策頑張って行きましょう。

    2020年2月に発生した、ダイヤモンドプリンセス号の検証結果で、空気感染の兆候は発見されなかった。
    接触感染も疑われたが、最終的に飛沫感染が感染拡大の主な原因と結論づけられており、そうなんだろうと理解していた。
    しかしながら、昨今の病院で発生しているクラスター拡大の状況を内部の看護師達に話を聞いてみても、飛沫感染だけによるものとは考えにくい広がりを見せている。
    潜伏期間、無症状感染、飛沫感染による感染拡大リスクに加えて、空気感染の可能性を踏まえた対策が必要なのかもしれません。
    ちなみに、空気感染で代表的な病気は、水ぼうそうや、はしかです。飛沫感染では、1.5メートル程度の距離をとれば直接浴びないとされており、この考え方がソーシャルディスタンスの基本となり、マスクなしで、1.5メートル以内、15分が濃厚接触の定義です。一定量の汚染された飛沫を浴びると感染するというメカニズムです。
    空気感染がクラスター発生の原因だとすると換気が第一優先で、陰圧換気を行える空調管理を準備する必要性があります。陰圧換気といっても、掃除機で吸うような強制陰圧ではなく、イメージ的には、常に一定に空気が流れて、タバコの煙が外にゆっくり移動する程度の陰圧です。いずれにしても、空気感染の可能性が捨てきれない現状がありますから、それを踏まえた対策が必要なようです。

    一般的な細菌の大きさは1マイクロメートル(μm)で、新型コロナウイルスは、約100ナノメートル(nm)です。ウイルスは細菌よりもかなり小さいものです。

    単位解説:マイクロメートル(μm)は、1ミリの1/1000。ナノメートル(nm)は、マイクロメートルの1/1000

    新型コロナは、100ナノメートル(nm)という小ささです。小さくて軽いため、湿度が低いと空気中にふわふわと漂い、クシャミや大声でかなり遠くまで飛びます。カラオケでは5M飛んだという報告もあります。

    マイクロ飛沫は窓を開ける換気で風が対流により一瞬で外気と入れ替わります。ちなみに換気には空気の対流が必要ですから一つの窓を開けただけでは換気になりませんのでご注意下さい。

    また、加湿器等で室内湿度を50%から60%にすれば空気中の水分にくっついてマイクロ飛沫は床に落ちます。

    このためマイクロ飛沫対策は、第1に定期的な換気をしましょう。定期的な換気が難しいのであれば湿度50%以上に加湿をしましょう、となります。インフルエンザ対策に加湿の重要性は以前から言われていた事です。冬場は加湿をしっかりした方が現実的な対策だろうと考えています。

    ちなみに、私の関与している施設では、外来、デイルームに加湿器を設置し、湿度50%以上に加湿し、朝、昼、夕の3回を5分換気をしています。


    余談ですが、新型コロナは100ナノメートルのサイズですから、布マスクやウレタンマスクでは絶対に防げません。メルトブローン不織布を基材にしたサージカルマスク以上のフィルターレベルがないマスクの製造と販売を禁止して欲しいと考えるのはそのためです。
    アベノマスク配布という政策は、布マスクでも予防性能があると認識させる信じられない政策ですが、あれは間違いです。

    そもそも抗原検査では、完全なる陽性患者しか鑑別できないのだろうと考えていました。しかしながら、実際に疑わしい人に、抗原検査をしてみて驚いたことは、無症状患者でも陽性判定が出るという事実です。
    検査試薬メーカーからの説明では、抗原検査は一定のウイルス量が確認されないと陽性判定は困難で、無症状ではまず判定できないでしょう。また、感度はよくて70%程度だろうとの説明でした。
    しかし、無症状の濃厚接触者で検査してみても陽性判定が見事に出ています。
    他地域の医師とネット会議してみても、無症状でも抗原検査で陽性が普通に出ているとのことでした。
    この現状を踏まえて、特に都市部においおては、かなりの数の感染者が潜伏していると認識しています。
    勝負の3週間とか話がありましたが、今からでも遅くありませんので、診療所の先生方は、私たちが開発し、推奨している、屋外検査ユニットの活用をお勧めします。
    インフルエンザの様に、室内で新型コロナの鼻腔咽頭粘膜採取を行うリスクは膨大です。
    冷静に考えてください、今年は、マスクと手洗いでインフルエンザは流行していません。
    しかしながら、新型コロナは流行しています。客観的事実が物語っています。マイクロ飛沫を吸い込む事で感染を起こす危険性が極めて高いという事です。
    マイクロ飛沫は、換気不十分な室内に滞留します。この滞留している新型コロナのマイクロ飛沫を吸い込む事で、クリニッククラスターの発生リスクが高まります。
    私たちは屋外検査ユニットを活用して、患者導線の分離を行う事で安全な検査体制を確立しています。
    冷静にどのような体制をとれば職員並びに医療従事者を守りながら、診療体制を維持できるかを考えてください。

    屋外検査ユニットプレスリリース

    屋外検査ユニット パンフレット

    おかげさまで、東京の大規模医療機関様で検体採取用グローブカバーの利用がスタートしました。
    ロングのラテックス手袋供給不足に対応した代用製品です。
    検体採取用グローブカバー

    何度も書いていますが、サージカルマスクをつけた状態での移動は問題ないです。
    問題は、会食です。飛沫感染が問題で、しかもサイレントキャリアである無症状感染者がどこにいるのおかがわからないことが大きな問題です。
    大量の飛沫を長時間浴びる危険性がある会食という行為が問題となります。
    スクリーンを使用した状態で飛沫対策を行うという選択程度しか対応がないですが、多くの場合、スクリーンは正面には対応しますが、側面対応までできていないものが多いようです。
    また、換気が十分に行えていないのであれば飛沫対策は不十分となります。
    空気清浄機でどうにかならないか?という意見に対してはおまじない程度だと認識しています。
    加湿器に関しては、インフルエンザ対策でも実証されている通り、飛沫が飛びにくくなるという要素が大きいために、効果があります。
    オゾン装置は、高濃度でないと効果が薄く、高濃度は管理が危険で難しいものです。
    UVランプについては、広島大学の進めているものは良さそうではありますが、換気の方が優先度が高いように感じています。
    結局外気温が14℃以下、湿度40%以下の状態になるとインフルエンザも、新型コロナも拡大しやすいという点が最大のポイントです。旅行は別にしても良いですが、食事をどうするかを考えて行動すべきです。部屋食が良いですし、オンライン食事会や、オンライン飲み会が安全です。
    政府のスタンスは「WITHコロナ」です。「SHUT OUTコロナ」とは違うのです。

    GOTOは国の政策
    感染レベルは各県の実態で決まるものですから、各県の実情を理解して、国が判断する必要があります。

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