簡易抗原検査の注意事項について、実際に簡易抗原検査を実施している医療機関からのアンケート結果が公開されています。以下で重要な事項にはアンダーラインを引きました。

資料に明示された簡易抗原検査を行う上での注意事項は以下であった。
1. 簡易抗原定性検査の陰性判定を含めた確定診断への適用は、発症 2 日目から 9 日目までの患者 だけである。無症状者(濃厚接触者を含む)や発症 10 日以降の患者に対しては、陰性確定診断の ための検査として適さないことを再確認する必要がある。
2. 簡易抗原定性検査に使用できる検体は鼻咽頭拭い液と鼻腔検体である。唾液は使用できない。
3. 検査キットごとの注意点を厳守する。例えば、エスプラインでは、(1)綿球を挟みもみながら綿棒を 10 回程度回転、(2)綿棒を取り出したのち 5 分静置、など。
4. 粘度の高い検体では偽陽性を示しやすいので注意する必要がある。
5. 臨床症状、疫学情報(接触歴、地域の流行状況や他の地域を訪問した場合はこの行動歴など)を参 考に、COVID-19 が疑わしい症例に対して簡易抗原定性検査を実施することが重要。
6. 特に小児例において、新型コロナウイルス以外の病原体(ライノウイルスなど)との交差反応の可能 性が報告されており、これに関して今後詳細に検討していく必要がある。

感染症学会より簡易抗原検査アンケートについて